いちいち泣くやつ。


こんにちは。
あおましいろです。

図書室の貸し出しをフル活用中です。
予約図書の順番が来たので読みました。

読書についての前書きはこちら↓
【自分をいかす】読書備忘録を書くということ

この本との出会い

長女にお勧めの本を探したくて立ち寄った、古本屋さん。
本屋大賞受賞作品とノミネート作品の棚で出会う。

読了までの時間

約3時間くらいかと。
平易で読みやすい文章です。
章ごとに短編として読むことができます。

気になるキーワード

自分で自分を、ちゃんと食わせる。

「つぶれたら?それっていけないことなの?」

太陽の目 月の目

俺は今、生きている

横歩きの世界

読了後バロメーター ※独断と偏見の5点満点方式

・爽快な気分  4
・前向きな気分  5
・アドレナリンが出まくっている気分 3
・ノスタルジックな気分  2
・深刻な気分  1
・おなかいっぱいな気分  1
・居住まいを正したくなる気分  2

感想

この本の造り

タイトルを見て、「図書室で出会いがあって、勧められた本で人生が動いていくような、そういう感じのお話かしら」という予想は、ほぼ当たっておりました。

転機がおとずれる舞台は、とある公民館の「図書室」。
その図書室では、個性的で一風変わった司書さんが、オススメ本の一覧と「本の付録」を手渡してくれます。
これが、この本に出てくる登場人物5人の共通点。

構成は五章。
一章にひとり、5人の主人公の人生の一幕。
言葉にしてしまえばそれだけのことなのです。

それなのに、いちいち涙腺がゆるむのでした。

いったい何がそうさせるのか・・・。

涙腺をゆるませるもの

オススメ本の一覧の一番最後には、司書さんと交わした会話とまったく関係ないように思える本が必ず入っています。
「本の付録」は、司書さん手づくりの羊毛フェルトで、一人ひとり違うもの。
しかも、その時つくるわけではなく、司書さんの引き出しからヒョイと出てきます。

その、最後の一冊と羊毛フェルトの「本の付録」が登場人物の人生に不思議とリンクしていくのでした。

でも、泣けるのはそこではありません。

実は、登場人物たちにはもうひとつの共通点があります。
それが「自分で動く」ということ。

どの登場人物にも、それぞれに悩みがあります。
その悩みとともに、いろいろな想いがあります。

不安や不満、恐れやあきらめ、少しずつ吹き溜まるような怒りや、時間を食いつぶしていくような焦り、急に透明人間になったようなさみしさ・・・。

そんな登場人物たちが、それぞれの想いを抱えたまま、そっと一歩を踏み出すのです。

「よし、やるぞ!」と力むのとは違って、「これでいいのだろうか」、「これで合っているだろうか」と思いながらおそるおそる踏み出す一歩です。

登場人物の気持ちが揺れるようすも、一歩を踏み出した瞬間の、何気ないように思える日常のようすも、わたしにとってはあまりにも身近でした。

その身近さのせいか、登場人物たちの一歩がとても貴重で尊いものに感じられたのです。

確信があるわけではない。
けれど、自分と向き合って決めた、大事な一歩を自分の意志で踏み出す。

あぁ、たったそれだけのことなのか、という目が覚めるような感覚と同時に、急に支えのないところに立ってしまったような心細さと恐れが混ざります。
でも、心細さや恐れを上回る爽快感を感じるのです。
まだ何も手にしていなくても、充実感の気配を感じてワクワクするのです。

そんな風に、やわらかく心を揺さぶられる感覚に、涙腺がゆるんでしまうのでした。

思い出したこと

人生は、「選択の連続」だという言葉を聞いたことがあります。

そうかもしれない、と妙に納得した後で、少しおののいたことを覚えています。

「選択」は必ずしも「選んでください」と分かりやすくやってきてくれるものではないということに気がついたからです。

同時に、選択肢すら分かりやすくないことにも気がついたのです。

「音大に行くか、芸大に行くか」
ではなく、
「大学に行くか、行かないか」
ですらなく、
「今日、いまそれをするか、しないか」
というように。

誰かに何を言われたとしても、「する」と決めるのも、「しない」と決めるのも自分だということ。

この本を読んでいて、そんなことを改めて思い出しました。

大事なのは、「すべてが自分の選択で成り立っている」ということに改めて気がつくことなのかもしれません。

自分が選択してきた結果が今だということを納得して初めて、自分と向き合える、のかな。
自分と向き合って、自分の声を聞いて、人のせいにせずに一歩を踏み出すことができたら・・・。

そうしたら、毎瞬やってくる選択のひとつひとつにワクワクできるのかもしれないし、人生が自分のものだと感じられるようになるのかも、しれません。

家族とお花見の道のり
ひとつひとつ、自分で選んできたもの

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

唯一、司書さんのキャラクターに、非日常的な印象を感じるお話です。

司書さんの名前、見た目、語る言葉・・・。
この備忘録には、司書さんについてはあまり詳しく書きませんでした。
よかったら、ぜひ司書さんに会ってみてください(笑)。

あとは、本の表紙。
表紙になっているのは、司書さん手づくりの羊毛フェルト、そう「本の付録」です。
5章のうちの、誰にどの羊毛フェルトが手渡されて、どんな風に彼らの人生にリンクしていくのか。

この備忘録を読んで、もしこの本を手に取ってくださる方がいたら、そんな風に楽しんでみてください。


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